-3°
渡辺力氏によってデザインされた「ヒモ椅子」。敗戦後の物資が乏しい中、「いかに安く椅子を作るか?」を考えて、比較的入手が容易だった輸出用ナラのインチ材を使い、クッションはどこの家庭にもある座布団を使うという発想の元、デザインされた椅子。それを現代に合わせて考え直しました。
音楽でも文学でも、韻を踏むとその詩にリズムが生まれ心地よい響きとなって心に届きます。デザインでも、視覚的な効果をもたらすだけでなく、繰り返された角度は、製造工程を単純化する効果もあります。
この椅子は、3°のテーパーを持った部材でフレームが構成されているだけではなく、後ろに向かって左右3°、上に向かって左右3°傾斜しています。
六角レンチで分解組み立てができることで、張り替えが容易になり、輸送面でも省力化されます。